トルコリラ円スワップ生活-トルコとロシア

トルコ駐在ロシア大使銃撃で死亡

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トルコ駐在ロシア大使銃撃で死亡

トルコの首都アンカラで19日午後7時(日本時間20日午前1時)、ロシアのアンドレイ・カルロフ駐トルコ大使が、現役のトルコ警察機動隊員に銃撃され、死亡した。

男は現場で警官隊に射殺された。

カルロフ氏の背後から銃撃し、アラビア語で「アラー・アクバル(神は偉大なり)」

トルコ語で「アレッポを忘れるな。シリアを忘れるな」と叫んだ。

シリア内戦へのロシアの軍事介入に対する報復の可能性がある。

シリア内戦では北部の激戦地アレッポの反体制派支配地域が陥落したばかり。

トルコは反体制派を支援しており、同国内ではアサド政権の後ろ盾であるロシアへの反発が強まっていた。

(中略)

昨年11月のトルコ軍によるロシア軍機撃墜事件で、両国関係は一時冷え込んだが、今年8月にエルドアン氏がロシアを訪れ、関係正常化で合意した。

ロシアによる対トルコの経済制裁の段階的な解除などが進んでいる。

引用元:日本経済新聞

上の記事にもある通り、昨年11月にトルコ軍がロシア軍機を撃墜。

ロシア政府は対トルコ経済制裁を発動

両国関係は冷え込むも、最近はアレッポでの停戦合意や、対欧州連合(EU)、対アメリカを睨み、親密になりつつあるかのように見えましたが…。

ロシア大使暗殺なんて超絶訃報です。
 
最近のトルコは踏んだり蹴ったり。

経済的にはトルコリラ対ドル最安値更新

国内的にはイスタンブールカイセリなど相次ぐテロ、治安回復という名目によるエルドアン大統領強権姿勢へますます傾斜など、問題が次々に起こっています。

そして外交的には、ロシアが支援してるアサド政権側による、トルコが支援しているシリア反政府勢力の重要拠点アレッポの奪回。

(停戦合意はトルコにとってはまだ吉報と呼べましたが)

そして今回の現役の警察官によるトルコ駐在ロシア大使銃撃事件、さらに大使は死亡。

これは国際問題になってもおかしくなく、むしろ普通は国際問題になります。

EUとの加盟交渉は進展せず、むしろ凍結を主張する加盟国もいます。

アメリカともシリア反政府組織支援で同じ陣営にいるものの、クルド人の扱いをめぐっては対立。

さらにロシアにまで敵に回すと四方八方敵だらけという状況になってしまいます。

敵は少なく見方は多く。

エルドアン大統領の手腕に期待したいです。

トルコの安定はトルコ経済の安定につながります。

結果、トルコリラ高につながるのです。

さて、ロシア側の反応ですが…。
 

共通の敵がトルコとロシアの絆強める

トルコの首都アンカラで19日、ロシア大使が射殺された事件は、両国の関係に深い傷を負わせなかった。

それどころか、共通の仮想敵の存在は、両国の独裁的指導者を一層強く結びつける可能性がある。

(中略)

強い経済関係で結ばれるトルコとロシアにとって、外部の犯人は好都合だ。

ロシアはトルコから食品や消費財を輸入し、トルコ人の建設労働者に多くを頼っている。

ロシア人にとって、トルコは人気の旅行先だ。

ロシアの天然ガスを黒海経由でトルコに供給するパイプライン「ターキッシュ・ストリーム」建設計画の再開も視野に入っている。

その上、両国はともに経済に問題を抱えている。

産油国のロシアは石油安と国際制裁に直面。

トルコリラは7月のクーデター未遂以来、対ドルで20%超下落し、エルドアン大統領は市民に外貨をトルコリラに両替するよう促している。

トルコの国内総生産(GDP)は、07月-09月期は前年同期比で1.8%減少し、7年ぶりのマイナス成長となった。

ロシア、トルコ、イランの外相は20日、モスクワでシリア和平について協議した。

ロシアとイランの支援を受けたアサド政権軍によるアレッポ制圧を、トルコは渋々ながら受け入れた。

欧州連合(EU)など西側の意図に反し、ロシアとトルコの絆は強まる公算が大きい。

引用元:ロイター

分かりやすく面白い記事です。

苦しい者同士、経済的に強く結びつき助けながら行かなくてはいけない時期に、外交的に対立するのは得策ではないといういかにも政治的な決着に落ち着きました。

トルコ政府は今回の銃撃犯を「ギュレニスト」と呼び、アメリカ在住のフェトフッラー・ギュレン氏の関与と断定。

トルコ国営放送(TRT)に至っては米中央情報局(CIA)の関与を疑っているくらいです。

(まあ国営放送はエルドアン大統領傘下ですから、大統領側が意図的に流しているのでしょうけど)

ただ、トルコとロシアの絆が深まりすぎると、今度はEU諸国、アメリカとの絆が弱まります。

八方美人になってどこからも信用を得ない国となってはどうしようもなく、難しい舵取りではありますが、エルドアン大統領には外交的に上手く立ち回って欲しいものです。
 
しかしやはり気になる点が…。

>欧州連合(EU)など西側の意図に反し、ロシアとトルコの絆は強まる公算が大きい。

いやトルコ、東側諸国ではないですよね?

ロイターさん、トルコから見てEUが西側、ロシアが東側、という意味ですよね?

冷戦時の呼称、欧米諸国=西側、ロシア=東側、という意味ではないですよね?

一応トルコはEUへの加盟を申請中の国ですよ。
 

トルコリラ円の反応

ちなみにロシア大使銃撃事件が起きた際のトルコリラ円。

直後には33円40銭あたりから34円あたりまで40銭程度下落しましたが、今は既に全戻し状態です。

これもロシアが外交的、政治的な問題にせず、テロが原因としてくれたからです。

さらには日銀会合の結果、米ドル円取引で円安に動いたため、トルコリラ円も

米ドル>>>トルコリラ>日本円

となり、トルコリラ高円安が進みました。

ただまあ、トルコリラ自体の価値が上昇(トルコリラ高)ではなくて、あくまでも米ドル高日本円安の結果ですので、油断は禁物です。
 
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まあトルコリラ取り扱っているFX会社って少ないのですけどね(笑
 

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