インフレ+61%なのに金利は据え置き14.00%
トルコリラ/円は堅調推移でむしろ上昇(;^_^A
トルコ中央銀行(TCMB)は14日、政策金利を14.00%に据え置きました。
これで4会合連続の据え置きです。
予想通りのためか、トルコリラ/円は発表直後こそ2-3銭ほど値を下げたものの堅調に推移しており、その後はむしろ上昇!
ロシアマネーが流入し、トルコ経済にプラスの効果が出ていることもありますが、まあ一番は日本円の弱さ(円安)でしょうね。
インフレ率が前年比で60%を超えるなど、トルコはおかしな状況となっていますが、それ(トルコリラ)にも負ける日本円って…(-_-;)
現在:14.00%
予想:14.00%
結果:14.00%
トルコ中央銀行は2022年4月会合で、政策金利を据え置き、14.00%にすることを決定!
市場予想通りのためか市場への影響も限定的でした(;^_^A
次回トルコ大統領選挙は2023年。
2023年6月18日までに国政選挙(議会と大統領の同日選挙)が行われ、エルドアン大統領が再選されれば、もう1期5年となります。
一部報道によると、総選挙を今年夏ごろに前倒しで実施する可能性があったようですが、それも今回のロシアによるウクライナへの侵攻で立ち消えに…。
支持率も低迷中なので、任期いっぱいまで務めるのではないかと。
その総選挙で政権交代が行われ、政教分離・親米親欧政権が樹立されれば、トルコリラはさらに暴騰するはず!
トルコリラ政策金利は14.00%
トルコ中央銀行は14日、金融政策決定会合を開き、主要政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めた。
据え置きは4会合連続。
足元の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比61%にも達するが、金融緩和による景気浮揚を優先する政権の意向に沿った。
中銀は声明で、高インフレの原因としてロシアによるウクライナ侵攻を念頭に置いた「地政学的な動き」のほか「経済の実態に即さない一時的な価格形成」などを挙げ、インフレはじきに収束に向かうとの認識を示した。
インフレ対策では金融引き締めが定石だが、中銀に強い影響力を行使するエルドアン大統領は利上げに反対している。
物価高の原因となっている通貨リラ安に対しては、リラ建ての定期預金を優遇したり輸出企業に外貨からリラへの両替を義務付けたりして歯止めをかけようとしている。
こうした対策の持続性は不明で、市場ではエルドアン氏がいずれ利上げを容認せざるを得なくなるとの見方もある。
引用元:日本経済新聞
結果、トルコの政策金利は、
トルコ中央銀行1週間物レポ金利(=政策金利)
前回実績14.00%、市場予想14.00%に対し、実績14.00%!
政策金利の据え置きは市場予想通りで、トルコリラの反応は薄く、値動きもごく僅かです。
さすがに発表直後は2-3銭程度下落しましたが、その後は堅調に推移しており、むしろドル/円が126円台を回復するなど円全面安の展開も手伝い、トルコリラ/円も上昇しています。
日本円が本当に弱い(-_-;)
政策金利と併せて発表された声明では、今回政策金利を据え置いた理由を「ベース効果やウクライナでの紛争解決のほか持続可能な物価と金融の安定のためにとられた措置を背景に、ディスインフレ(インフレ率が低下していく状態化)のプロセスが始まると予想されるため」と説明しています。
さらに「最近の政策決定の累積効果を監視する」と改めて表明し、政策金利を当面据え置くことを示唆しています。
逆にこれでも下落しないトルコリラ凄い!
これらの声明内容は、1月会合や2月会合、前回3月会合時と声明内容とほぼ同じです。
前回も「本当かいな…」と書きましたが、むしろインフレは上昇(加速)しているのですけどね(-_-;)
さらにロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響により、両国から約90%の輸入依存となる小麦の輸入がストップした影響のほか、原油価格も高値圏で推移していることも含め、4月の物価指数も一段と上昇することが予想されています。
このままだと市場関係者はトルコ中央銀行(TCMB)の言葉をオオカミ少年の言葉と同義に思い、信じなくなる恐れも…。
話を元に戻し、「最近の政策決定の累積効果を監視する」の声明内容により市場では、当面も政策金利の据え置き期間が続き、利下げ再開時期が遠のいたのでは、との見方が多数を占めています。
逆に言えば、利上げ時期も遠のいているとも言えるですけどね(;^_^A
そのためトルコリラは対ドル・対円でも大きな動きはなく、トルコリラ/円も政策金利の発表時とは思えないくらいに、落ち着いた値動きとなっています。
トルコリラにとって良かったのか悪かったのか…結果的に見れば良かったのでしょうが、今回のトルコ中央銀行(TCMB)による政策金利の発表に対する市場の関心は薄く、内容も予想通りだったこともあり市場の反応も薄く、そのためトルコリラへの影響も限定的でした。
(トルコ中央銀行(TCMB)による政策金利発表の45分後に欧州中央銀行(ECB)による政策金利の発表)
(その後にラガルドECB総裁による記者会見があったため、市場の話題はECBに(;^_^A)
そのためか現在トルコリラへ影響を与えているのは外部的要因となります。
ひとつは日本銀行(BOJ)に異次元金融緩和の断固とした継続。
もうひとつはロシアマネーの逃避先の一つとなっており、以外にもトルコ経済にはプラスとなっています。
そのためトコリラは政策金利の据え置きでも下落することなく堅調に推移し、むしろ上昇しています(;^_^A
とは言えロシアによるウクライナ侵攻は、トルコにもトルコリラにも大迷惑です。
ロシアもウクライナも黒海を挟んで北隣。
地政学リスクもさることながら、上記通り輸入小麦の90%がロシア産・ウクライナ産のため輸入小麦が激減。
原油・天然ガスもさらに上昇しています。
さらにトルコを訪れる外国人観光客の国別観光客数はロシアが1位で、ウクライナが3位です。
つまり今後、この両国からの観光客はあまり期待できそうにもありません。
外国人観光客の減少は経常収支の赤字、観光産業への大打撃となります。
現に今年2022年1-3月期GDPは、昨年2021年10-12月期の前期比+1.5%からマイナス成長に転じる可能性も出てきました。
そもそもトルコの輸入・輸出割合は、
輸出:1.0
輸入:1.5
です。
同じ無資源国でありながら円安が好影響を与える日本とは真逆で、トルコリラ高の方がトルコに好影響を与えます。
トルコは石油や天然ガスをほとんどを輸入しており、原油高・天然ガス高に加え、トルコリラ安で購入代金が高くなっており、国民はさらに多くのお金を払う羽目になっており、苦しんでいます。
現にトルコでは過去1年で電気やガスなどのエネルギー料金は5割以上も上昇しています。
電気やガス、ガソリン・灯油などのエネルギー価格が上昇すれば、ほぼすべての商品・サービスの値段も上昇します。
トルコリラ安が物価上昇を促しているのです。
そもそも下の図のように、現在トルコは絶賛インフレ加速中です。
トルコ政府は付加価値税の引き下げや、一部世帯を対象とした電気代軽減などの政策を相次いで打ち出していますが、効果は目に見えていません。
利上げしてでも抑制すべきところですが…。
✅トルコ消費者物価指数(CPI)前年比
1月+48.69%
2月+54.44%
3月+61.14%とドカンと右肩上がりでインフレ上昇中
原油高止まり・観光客大幅減(1位ロ3位ウ)・小麦輸入90%減少
こんな状況のトルコリラよりも弱い日本円😭
喜んだ方が良いのか悲しんだ方が良いのか… pic.twitter.com/nODFzYoOqd— サトウカズオ🇹🇷FX自動売買でFIRE達成 (@tryjpyFX) April 15, 2022
上記通りインフレは上昇しており、今回の政策金利の据え置きで実質金利はさらにマイナス幅を広げています。
トルコから資源が産出されれば、昨今の資源高によって違ってくるのでしょうが、残念ながらトルコは日本同様、ほとんど資源を算出しません。
ウクライナ戦争のより、最近のエルドアン大統領が新ロシア・親中国から親EUよりになってきたのが、トルコリラにとって数少ない利点でしょうか(;^_^A
トルコ銀行のカブジュオール総裁は、市場と大統領の間で板挟みになっており、苦しいのも理解できます。
利上げしてしまえば解任されることでしょう。
据え置きでも精いっぱいの抵抗なんでしょうね。
もう、いっそエルドアン大統領がトルコ銀行総裁を兼任すればすっきりするのにね(;^_^A
高すぎるインフレ率を改善するなら利上げすべきです。
しかしトルコの利上げは、ただでさえ弱い景気を冷やしかねず、雇用の改善も進まないでしょう。
逆に景気回復・失業率の改善を目指すなら利下げすべきです。
すると今後は利下げは通貨暴落によってインフレの加速を招きかねないというジレンマに陥っています(-_-;)
どちらにしろトルコ中央銀行は難しい舵取りを迫られそうです。
高金利通貨国の実質金利
今回の政策金利の据え置きでトルコの実質金利は、政策金利14.00%-インフレ率61.14%=-47.14%!
1月の-24.08%、2月の-34.69%、3月の-40.44%から、さらにマイナス幅を拡大しています。
まあ、インフレが目も当てられないくらい上昇しているのに、政策金利が据え置きならそうなりますよね(-_-;)
さて気を取り直して、他の高金利通貨国の実質金利がどうなっているかと言うと、
同じく高金利通貨と言われる南アフリカのインフレ率は+5.70%。
政策金利4.25%-インフレ率5.70%=-1.45%!
(3月24日:南アフリカは政策金利を0.25%利上げし4.25%に)
次回政策金利発表は2022年5月19日。
メキシコのインフレ率は+7.45%です。
政策金利6.50%-インフレ率7.45%=-0.95%!
(3月24日:メキシコは政策金利を6.50%に利上げしました)
次回政策金利発表は2022年5月12日。
メキシコペソも南アフリカランドも、一時期の高金利通貨っぷりは影を潜めていますが、それでも0.25%から0.75%の政策金利が多い先進国に比べれば十分に高金利通貨です!
しかもメキシコや南アフリカは、度重なる利上げで実質金利のマイナス幅を縮めてきました。
また最近は資源高の影響で、両国通貨は急上昇中です(^^♪
一方トルコは、資源も無く、実質金利のマイナス幅もドカンと拡大中。
市場もそういうものだと認識しているのは救いですが、投資の旨味が減ってきているのも確かです。
まあトルコのインフレ率が下がってきてくれたり、バカンスシーズンを迎える夏に向けてコロナが収束し、ウクライナ戦争が停戦合意すれば(お金を大きく落としてくれる、ドイツ・フランス・イタリア・スペイン人などからの)観光収入が増加して経常収支が黒字化してくれたら、トルコリラ投資への旨味も増えてくるのですが、問題はエルドアン大統領が…。
大統領が一番の問題ってどんな国?(;^_^A
政策金利発表でトルコリラ
トルコの政策金利発表で、トルコリラがどうなったかと言うと…。
ドル/トルコリラ
現在、1ドル=14.6254トルコリラくらいでしょうか。
金利を頑なに上げないトルコ。
利上げし、さらにバランスシート縮小(量的引き締め=QT)の開始がささやかれているアメリカ…なのに、以外にも先月よりもドル安・トルコリラ高で推移しています。
西側諸国 VS ロシア・中国、との対立構造で、トルコの重要性が再認知されてきたのかな(;^_^A
ドル/円
1ドル=126円40銭くらいでしょうか。
正直…ひどい。
各国がインフレ高懸念から金融引き締めに走る一方、我らが日本銀行は未だに長期金利0.25%で指し値オペを実施しています。
つまり引き続き異次元金融緩和を続ける断固とした姿勢を示した訳です。
一方のアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は3月に0.25%利上げし、5月にも0.50%利上げ。
さらには上記通りバランスシート縮小(量的引き締め=QT)の開始するとの見方が日に日に強まっています。
そりゃードル高・円安にもなりますよ(-_-;)
トルコリラ/円
1トルコリラ=8円63銭くらいでしょうか。
アメリカ利上げ、日本&トルコは政策金利据え置き状態。
日本&トルコともに貿易赤字で苦しんでいる。
むしろインフレはトルコの方がはるかにひどい状態なのに、トルコリラは堅調に推移し、日本円は全面安の状態です。
トルコリラ投資にとっては良いのですが、日本円にももう少し頑張って欲しいです(-_-;)
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トルコの政策金利は現在8.50%(2023年6月15日)。
高金利通貨として人気のオーストラリアドルやニュージーランドドル、そして南アフリカランド。
最近人気を高めつつあるメキシコペソなどの他の高金利通貨に比べてもスワップポイントが高く、大きな見返りが期待できる魅力が人気となっています。
この記事を見られているってことはトルコリラに興味があるってことですよね?
気になるなら悩むよりも時間を味方に、早く始めることが重要だと思います♪