予想通り政策金利は据え置きで14.00%
インフレ上昇で実質金利は大幅にマイナス
トルコ中央銀行(TCMB)は17日、予想通り政策金利を14.00%に据え置きました。
これで2会合連続の据え置きです。
政策金利の据え置きは市場予想通りであり、また声明の内容もサプライズはなく、そのためトルコリラの反応は薄く、値動きもほぼありませんでした。
現在:14.00%
予想:14.00%
結果:14.00%
トルコ中央銀行は2022年2月会合で、政策金利を据え置き、14.00%にすることを決定!
市場予想通りのためかトルコリラの値動きも限定的でした(;^_^A
次回トルコ大統領選挙は2023年。
2023年6月18日までに国政選挙(議会と大統領の同日選挙)が行われ、エルドアン大統領が再選されれば、もう1期5年となります。
一部報道によると、総選挙を今年夏ごろに前倒しで実施する可能性が浮上しているそうです。
その総選挙で政権交代が行われ、政教分離・親米親欧政権が樹立されれば、トルコリラはさらに暴騰するはず!
※:注意
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インフレ+61%なのに金利は据え置き14.00%トルコリラ/円は堅調推移でむしろ上昇(;^_^A トルコ中央銀行(TCMB)は14日、政策金利を14.00%に据え置きました。これで4会合連続の据え置きです。[…]
トルコリラ政策金利は14.00%
トルコ中央銀行は17日、金融政策決定会合を開き、主要な政策金利の1週間物レポ金利を年14%で据え置くと決めた。
据え置きは2会合連続。
足元では消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比49%に達するほどインフレが加速している。
だが、中銀に影響力を行使するエルドアン大統領は経済成長を優先し、利上げを繰り返し否定している。
トルコは2021年9~12月、政策金利を計5.0%引き下げた。
通貨リラは同年初めから対ドルで4割超下落し、輸入物価の上昇が急激なインフレを招いた。
今年1月以降のリラ相場は安定的に推移しているが、市場では早期のインフレ解消のためには利上げが必要だとの指摘が大勢だ。
政府は付加価値税の引き下げや一部世帯を対象とした電気代軽減などの政策を相次いで打ち出した。
エルドアン氏は17日の演説でも「金利(の引き上げ)はもはや議題ではなくなった」と述べ、経済運営に自信を示した。
中銀は17日の声明で「物価と金融安定のため打ち出された対策やベース効果でインフレは鈍化し始めるだろう」と述べた。
引用元:日本経済新聞
結果、トルコの政策金利は、
トルコ中央銀行1週間物レポ金利(=政策金利)
前回実績14.00%、市場予想14.00%に対し、実績14.00%!
政策金利の据え置きは市場予想通りで、声明もサプライズなし(予想通り)でした。
そのためトルコリラの反応は薄く、値動きもごく僅かです。
まあ市場の関心はトルコ中央銀行の政策金利発表より、ウクライナ情勢が主要な話題で、地政学リスクやそれに伴う原油高(どちらもトルコリラ安要因)に関心が向いている、と言うのが現状ですけどね(;^_^A
トルコ中央銀行(TCMB)は声明で、「最近の政策決定の累積効果を監視する」と表明。
また政策金利を据え置いた理由を、「持続可能な物価と金融の安定のためにとられた措置を背景に、ディスインフレ(インフレ率が低下していく状態化)のプロセスが始まると予想されるため」と説明しています。
(本当かいな…)
これらの声明内容は前回1月会合時の声明内容とほぼ同じであり、これにより市場では、当面も政策金利の据え置き期間が続き、利下げ再開時期が遠のいたのでは、との見方が多数を占めています。
そのためトルコリラは対ドル・対円でも大きな動きはなく、トルコリラ/円も政策金利の発表時とは思えないくらいに、落ち着いた値動きとなっています。
一時期よりかはマシになったとは言え、トルコリラは昨年2021年初めから見ると、対ドルで4割超下落しています。
確かにトルコリラ安は、エルドアン大統領が首相だった時や、まだまともだった初期大統領時代に進めた工業化で、家電や自動車などの輸出企業にも追い風となります。
現に輸出額はトルコリラ安もあり過去最高のを記録しています。
さらにコロナ禍の中でもトルコリラ安により、トルコを訪れる外国人観光客も増加傾向にあるそうです。
(ただし近隣のギリシャ・ブルガリア・ジョージア・アゼルバイジャンなどからの買い物客数が増えているだけ)
(お金を大きく落としてくれる、ドイツ・フランス・イタリア・スペインの観光客は新型コロナの影響で低迷したまま)
ただトルコの輸入・輸出割合は、
輸出:1.0
輸入:1.5
です。
同じ無資源国でありながら円安が好影響を与える日本とは真逆で、トルコリラ高の方がトルコに好影響を与えます。
トルコは石油や天然ガスをほとんどを輸入しており、原油高・天然ガス高に加え、トルコリラ安で購入代金が高くなっており、国民はさらに多くのお金を払う羽目になっており、苦しんでいます。
現にトルコでは過去1年で電気やガスなどのエネルギー料金は5割以上も上昇しています。
電気やガス、ガソリン・灯油などのエネルギー価格が上昇すれば、ほぼすべての商品・サービスの値段も上昇します。
トルコリラ安が物価上昇を促しているのです。
そもそも下の図のように、現在トルコは絶賛インフレ加速中です。
トルコ政府は付加価値税の引き下げや、一部世帯を対象とした電気代軽減などの政策を相次いで打ち出していますが、効果は目に見えていません。
利上げしてでも抑制すべきところですが…。
✅トルコ消費者物価指数(CPI≒インフレ率)前年比
11月+21.31%
12月+36.08%
01月+48.69%と右肩上がり&ドカンとインフレ上昇中
本来利上げすべきだが、2月会合では利下げされなかった分だけマシなのか国内エネルギー価格50%以上上昇ってことは全ての製品・サービスにも転嫁されさらに上昇と pic.twitter.com/XUNXpoXvTG
— サトウカズオ🇹🇷FX自動売買でFIRE達成 (@tryjpyFX) February 18, 2022
上記通りインフレは上昇しており、今回の政策金利の据え置きで実質金利はさらにマイナス幅を広げています。
トルコから資源が産出されれば、昨今の資源高によって違ってくるのでしょうが、残念ながらトルコは日本同様、ほとんど資源を算出しません。
せめてアメリカやEUと仲良くしてくれれば、通貨も堅調に推移してくれるでしょうが、昨今のエルドアン大統領は新ロシア・親中国です。
トルコ銀行のカブジュオール総裁は、市場と大統領の間で板挟みになっており、苦しいのも理解できます。
利上げしてしまえば解任されることでしょう。
据え置きでも精いっぱいの抵抗なんでしょうね。
もう、いっそエルドアン大統領がトルコ銀行総裁を兼任すればすっきりするのにね(;^_^A
高すぎるインフレ率を改善するなら利上げすべきです。
しかしトルコの利上げは、ただでさえ弱い景気を冷やしかねず、雇用の改善も進まないでしょう。
逆に景気回復・失業率の改善を目指すなら利下げすべきです。
すると今後は利下げは通貨暴落によってインフレの加速を招きかねないというジレンマに陥っています(-_-;)
どちらにしろトルコ中央銀行は難しい舵取りを迫られそうです。
高金利通貨国の実質金利
今回の政策金利の据え置きでトルコの実質金利は、政策金利14.00%-インフレ率48.69%=-34.69%!
2021年11月の-4.89%、12月の-4.89%、2022年01月の-24.08%から、さらにマイナス幅を拡大しています。
まあ、インフレが目も当てられないくらい上昇しているのに、政策金利が据え置きならそうなりますよね(;^_^A
トルコ中央銀行は声明で「最近のインフレ率の上昇は不健全なトルコリラ安による歪んだ価格設定行動によって引き起こされ、また供給サイドの要因・世界的な食品と農産物の価格上昇なども影響した」としています。
トルコリラ安は、エルドアン大統領の独裁的で強硬な政治姿勢、半米反欧州連合(EU)新ロ新中的な外交、中央銀行への介入・利下げ強要などの金融政策の失敗、が原因でしょうけどね(怒
さて気を取り直して、他の高金利通貨国の実質金利がどうなっているかと言うと、
同じく高金利通貨と言われる南アフリカのインフレ率は+5.70%。
政策金利4.00%-インフレ率5.70%=-1.70%!
(1月27日:南アフリカは政策金利を0.25%利上げし4.00%に)
次回政策金利発表は2022年3月24日。
メキシコのインフレ率は+7.07%です。
政策金利6.00%-インフレ率7.07%=-1.07%!
(2月10日:メキシコは政策金利を6.00%に利上げしました)
次回政策金利発表は2022年3月24日。
メキシコペソも南アフリカランドも、一時期の高金利通貨っぷりは影を潜めていますが、それでもゼロ金利政策が多い先進国に比べれば十分に高金利通貨です!
しかもメキシコや南アフリカは、度重なる利上げで実質金利のマイナス幅を縮めてきました。
また最近は資源高の影響で、両国通貨は急上昇中です(^^♪
一方トルコは、資源も無く、実質金利のマイナス幅もドカンと拡大中。
市場もそういうものだと認識しているのは救いですが、投資の旨味が減ってきているのも確かです。
まあトルコのインフレ率が下がってきてくれたり、コロナが収束し(お金を大きく落としてくれる、ドイツ・フランス・イタリア・スペイン人などからの)観光収入が増加して経常収支が黒字化してくれたら、トルコリラ投資への旨味も増えてくるのですが、問題はエルドアン大統領が…。
大統領が一番の問題ってどんな国?(;^_^A
政策金利発表でトルコリラ
トルコの政策金利発表で、トルコリラがどうなったかと言うと…。
ドル/トルコリラ
現在、1ドル=13.6191トルコリラくらいでしょうか。
最近のトルコリラは安定しており、さらに堅調に推移しています。
先月とほぼ変わらず…。
今までのトルコリラを見ていると凄いと感じますが((;^_^A)、これが普通です。
ただウクライナ情勢がより一層緊迫化してきました。
ウクライナ政府軍、ウクライナ国内の新ロシア勢力ともに砲弾や手りゅう弾が撃ち込まれたと発表しています。
地政学リスクの上昇に原価価格の高騰。
どちらもトルコリラ安要因なだけに、今後のヘッドラインにも注意が必要です。
ドル/円
1ドル=115円22銭くらいでしょうか。
ロシアによるウクライナ侵攻が警戒される中、バイデン大統領が「ロシアがウクライナに侵攻する可能性は非常に高い」との発言を受け、リスク回避の円高が進行中です。
ウクライナ情勢をめぐる懸念を一段と強めるようなヘッドラインが出てくれば、リスク回避の動きが強まり、ドル高・円もっと高(・他通貨安でクロス円は要注意)が進みそうです。
トルコリラ/円
1トルコリラ=8円45銭くらいでしょうか。
今会合は政策金利の据え置きがほぼ予想されていたため、トルコリラの値動きはほぼありませんでした。
まあ今会合は、利下げサプライズが行われなくて良かったこと。
声明を見る限り、しばらくは利下げはなさそう、の2点が確認されただけでも良かったかもしれません(^^♪
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トルコの政策金利は現在14.00%(2022年2月18日)。
高金利通貨として人気のオーストラリアドルやニュージーランドドル、そして南アフリカランド。
最近人気を高めつつあるメキシコペソなどの他の高金利通貨に比べてもスワップポイントが高く、大きな見返りが期待できる魅力が人気となっています。
この記事を見られているってことはトルコリラに興味があるってことですよね?
気になるなら悩むよりも時間を味方に、早く始めることが重要だと思います♪